2009年6月25日木曜日

「最後の将軍」 司馬遼太郎 著

最後の将軍」 司馬遼太郎 著

 幕末の混沌とした時代を最小限の混乱で収束させた功績という意味では、幕末最大の英雄といっても過言ではないと思う。ただ、それが最後の将軍の非凡な能力故かと問われると回答に困るし、印象としても英雄ではない。果たした実績からなぜ英雄といった印象がもてないのだろう?確かに多彩な能力を持ち、智謀・政治力を兼ね備えた人物ではあるのだが、その能力が人を魅了する形で使われず、自己完結しすぎている意味で観客のいない舞台で名演技を演じているといった具合なのか??ただ、幕末にこのような人物が将軍になったことで列強からの侵略を回避できたことは紛れもなく、日本人としてはこの天の采配に感謝するしかない。




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