2012年11月14日水曜日

「三国志」 北方謙三 著

三国志」 北方謙三 著

三国志の小説は多々ありますが、人物描写のリアルさ、特に心の内面描写が非常に現実味があり現代に生きた人物を見てきて書いたようでもある点で非常に面白い。また、武将の能力も非現実的な怪物じみた強さではなく自己及び兵を鍛え上げる努力の上になりたった現実的な力として描かれているところも、現実身を増幅させてよかった。
ストーリーも基本的に三国志のストーリーを忠実に描いている一方で、それぞれの行動の理由付けが心理面から詳細に描かれており、いままで読んだ三国志の小説では説明できていなかった唐突な行動や現象を見事に描いる点で読んでいて関心させられた。そういった点では、三国志のストーリーを知っている人でも違ったまた違った楽しみ方ができると言う点でお勧めできる小説です。